ほたるろぐ

仮面二浪なる悪事を企む限界大学二年生による日記のようなもの

いとこと感動の再会

 

 いとこかわいすぎた。3歳の子のほうと2人で公園に行った。ブランコや、今は都会だとほとんどの公園で撤去されている回るジャングルジムは怖いようで、自分は乗らずに私を乗せて揺らすなり回すなりした。すべり台は大好きらしく何度も何度も飽きずに滑っていた。


「雲が出てきた。雨が降るかもしれない」


と私が嘘をつくまでずっと滑っていた。少なくとも20分はひっきりなしに滑っていた。さすがに私の方が限界であった。はしゃぎ過ぎて疲れてしまったのか、帰り道では抱っこを要求された。あとで聞けば、14キロ。重いはずである。大きくなったものだ。このままでは家まで抱っこは無理と思い、畑を突っ切る近道を選択した。もちろん、作物を傷つけぬよう細心の注意を払った。祖父母の所有する畑なので多少踏み荒らしても問題はないのだが。

 

 用意していたプレゼントも喜んでもらえたようである。アイスをコーンに積み上げるゲームだが、予想通りゲームではなくアイスクリーム屋さんごっこがはじまった。


「ごちゅーもんはおきまりでしゅか」


そんな言葉知ってんだ。ちょっとびっくり。

 

 

 そういえば暇だった昨日と、今日の午前中には図書館に行った。読みたかった本を見つけた。春休みに読みたくなって、しかし地元の図書館にも池袋のジュンク堂にも置いてなかった本である。無論、本屋で注文すれば手に入るが、買うほどではなかったので諦めていた。

 

 グースパンプスというシリーズを知っているだろうか。子供向けのホラー小説。私が小学生の頃に流行っていたと記憶している。当時は光るドクロのキーホルダーと抱き合わせで販売されていた。光るドクロは今でも大事にとってあるが、肝心の書物の方はいつの間にか母によって古本屋送りにされていたらしい。

 

 昔好きだった本が、飽きるほど読み返したあの本が、久しぶりに読みたくなることってあるでしょう?

 

 それをたまたま、このド田舎のちいさな図書館で発見したのである。感動の再会。

 

 全部読む暇はなさそうなのでシリーズの中でも特に好きだった「鏡の向こう側」と「ぼくの頭はどこだ?」を借りた。図書館滞在中に「ゴースト・ゴースト」も読破した。あれだけ読んだのだから展開はわかりきっているのにページをめくる手が止まらない。この歳になってもやはり、あの頃好きだったものは変わらず好きらしい。

 

 小学二年生のときに


「分厚い本の方が読むのに時間がかかるから休み時間を潰せる」


などという理由でハリーポッターに手を出すような生粋のぼっち、ほたさん。同じ本を何度も読む傾向にあるので、守備範囲は広くないが好きな本への愛情なら負けない自信がある。ダレンシャンとハリーポッターは特に繰り返し読んだ。他には今パッとタイトルが出るものだと先述のグースパンプスシリーズやスパイダーウィック家の謎、ガフールの勇者たち、風の陰陽師バーティミアス、マーリン、名探偵アガサ&オービルシリーズ――。シリーズじゃないのだと星の王子さまとか、アルケミストは何度も読んだ。ファンタジーばっかりだな。

 

 もう一度読みたい本、思い返してみればたくさんある。なんだか創作意欲さえ湧いてきた気がする。まるで小学生に戻ったみたいだ。幼いいとこに会って自分まで若くなった気分、なのかな。あの頃みたいに、ファンタジー、書いてみるか。

 

 思い出にひたっていたら眠くなってきた。どうやら部屋に蚊がいるのでそいつを仕留め次第寝よう。おやすみなさい。